サイボーグ009 Wiki
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1966年から1968年までの『サイボーグ009』のアニメ作品について記述する。

概要[]

先行して劇場版2作が作られ、その後テレビシリーズが始まった。

企画経緯[]

当時、東映のアニメ映画は文芸性の高い長編が製作されていたが、プロデューサーの旗野義文がテレビアニメの手法による中編映画を企てた。東映動画が創立以来年に1本から2本公開してきた名作ものを原作とする長編のフルアニメーション作品をA作。このA作に対して長編フルアニメとテレビアニメの中間的位置付けとして、海外輸出を意識した3コマ撮りの中編で日本国内向け作品をB作とするものである。テレビシリーズの『レインボー戦隊ロビン』のスタッフを投入して製作されたB作の第一弾が『サイボーグ009』だった[1][2]。本作が選定されたのは『西遊記』などを演出した東映動画の白川大作と石ノ森との縁による[3]

演出は映画2作とテレビシリーズともに芹川有吾が担当。メインライターは辻真先で、オリジナルエピソードも加えられた。音楽は小杉太一郎が担当し、映画用の曲はテレビにも使用された(テレビシリーズ用に新曲も作成されている)。これらの楽曲は、以後の複数の東映動画作品に流用されている(『タイガーマスク』『マジンガーZ』など)。映画『怪獣戦争』の主題歌(第1作では挿入歌として使用)は、テレビシリーズでも継承された。その際、メンバーの名乗りが曲の前に入れられたが、このアフレコでは、009役の田中雪弥(森功至)が中々タイミングを合わせることができずNGを連発した、と述懐している。

劇場版1作目は、2008年3月にBS2の特別番組「とことん!! 石ノ森章太郎」において番組の一環としてOAされたが、放送禁止用語が連呼されたことで多くの修正が入った。

アニメ化にあたって以下のような変更が加えられた。テレビシリーズではキャラクターデザインが変更され、髪形や表情が原作に近づけられている。

  • 009は脱走犯からレーサーへ。
  • 009は混血の栗毛を黒髪へ。
  • 009は前髪を垂らすのをやめ、両目が見えるように(テレビシリーズでは原作寄りに修正)。
  • コスチュームを009のみ赤から白へ。003のみピンク、他のメンバーは紫。
  • マフラー使用は009のみ。色も赤へ。003は青いバンダナ風のマフラーを使用。
  • 加速装置の設定をオミット。そのため009はじめ原作では加速装置を装備するサイボーグが、単に走行や跳躍能力が常人より優れているという描写になっている。
  • 007のキャラクターが、主な視聴者である子供を反映してか大人から子供に変更。

特に007の設定変更は、原作者の石ノ森はやや不満だったが子供達からは好評で、当時のキャラクター人気投票で1位を獲得し、変身能力は持ち合わせてはいない007が主人公である短編の「サイボーグちゃん」が描かれた。原作漫画でも、007は「永久変身」として、子供の姿が基本になった事がある。

テレビシリーズ概要[]

シリーズに共通した明確な敵はおらず、009を中心にして事件に挑む。主な舞台は日本で、日本に在住している009、001、003、006(張々湖飯店を経営)、007(張々湖飯店の従業員)とギルモア博士がレギュラー(セミレギュラー)となっている。他のサイボーグは外国(主に生国)に住んでおり、状況に応じて登場するので、全員が揃うことは少ない(第3話「南極の対決」、第14話「呪われた砂漠」、第24話「非情な挑戦者」、最終回「平和の戦士は死なず」の4回。なお「南極~」は、最初に製作されたエピソード)。

ブラックゴーストの設定は排除されているが、スカールがモチーフの敵が2度登場する(第13話「悪魔城の秘密」のドクロ、第17話「幽霊同盟」のゴースト。脚本は伊上勝によるものだが、両者が同一人物かどうかは不明)他、サイボーグマンに似たデザインの戦闘員も登場する(第3話「南極の対決」、第19話「恐怖の原潜シースネイク号」。ともに芹川有吾が関わっている)。また、芹川によると、最終回に出てくる「マスコット人形」は、劇場版2作に登場したブラックゴーストの観念的な姿だという。脚本は、原作の『009』のエピソードをアニメ化したものの他、オリジナル脚本と、『009』以外の石森作品をモチーフにしたものの、と、主に3パターンある(個々については#放送リストを参照)。オリジナル脚本でも、前述のように原作を部分的に活用したものも存在する。

10本の脚本を担当し、事実上のメインライターであった辻真先によると、当初テレビ局が予定していた番組が諸事情により制作中止になり、急遽依頼された作品だったという。そのため、劇場版の実績があり、原作も存在する本作が、準備期間が掛からないという理由で採用されることとなり、基本設定やキャラデザイン、声優の多くは劇場版を引き継いだ物となっている。テレビ局側は、穴埋め用の作品なので、人気が出ても出なくても半年で終了、その代わり打ち切りはしないという条件を提示した。そのため、制作期間が短いことを除けば、ほとんど制約を受けることなく、当時のテレビアニメとしては考えられないほど自由な環境で作ることが出来たという。

中でも脚本の辻真先と演出の芹川有吾のコンビによる第16話「太平洋の亡霊」と第2話「Xの挑戦」は、ビデオが普及していない1970年代後半のファンの自主上映会でよく上映されるエピソードだった[4][5][6]。辻によると、本シリーズのテーマは「反戦」である。

放送終了後に再び劇場版制作の話が持ち上がったものの、実現しなかった[7]

  • 1968年4月5日 - 1968年9月27日 全26話
  • NET(現:テレビ朝日)系 金曜19時30分 - 20時
  • モノクロ作品
  • 企画:宮崎慎一、江藤昌治、旗野善文
  • 音楽:小杉太一郎
  • 選曲:宮下滋

劇場版[]

主題歌[]

オープニングテーマ:「サイボーグ009」
作詞:漆原昌久 / 作曲・編曲:小杉太一郎 / 歌:東京マイスタージンガー
レコード用音源では冒頭のメンバーの名乗りも劇場版キャストのまま変更されなかったが、テレビ用にはテレビ版キャストが新たに吹き込んだ。また、前奏と歌詞がテレビサイズでは短縮された。
エンディングテーマ:「戦いおわって」
作詞:石森章太郎 / 作曲・編曲:小杉太一郎 / 歌:ボーカル・ショップ

声の出演[]

  • 009:田中雪弥
  • 001:白石冬美
  • 002:石原良
  • 003:鈴木弘子
  • 004:大竹宏/内海賢二
  • 005:増岡弘
  • 006:永井一郎
  • 007:曽我町子
  • 008:野田圭一
  • ギルモア博士:八奈見乗児

放送リスト[]

話数 サブタイトル 脚本 演出 作画監督 放送日 原作
1 恐怖の怪人島 伊上勝 芹川有吾 若林哲弘 1968年
4月5日
009「怪物島編」
2 Xの挑戦 辻真先 田宮武 木村圭一郎 4月12日 -
3 南極の対決 芹川有吾 4月19日 009「オーロラ作戦編」
4 宇宙魔人 伊上勝 勝間田具治 国保誠 4月26日 -
5 あゝクビクロ 勝田稔男 小沢洋 5月3日 009「クビクロ」
6 ガラリア王救出作戦 辻真先 藪下泰次
田中亮三
若林哲弘 5月10日 -
7 消えたスクール・バス 佐藤純弥 田宮武 窪詔之 5月17日 -
8 金色の眼の少女 小沢洋 新田義方 国保誠 5月24日 『金色の目の少女』より
9 悪魔は夜歩く 辻真先 勝間田具治 木村圭一郎 5月31日 『怪人同盟』より
10 地底の黄金宮殿 伊上勝 宮崎一哉 小泉謙三 6月7日 -
11 黄金のライオン 高久進 永樹凡人 6月14日 009「黄金のライオン編」
12 天かける巨人 辻真先 芹川有吾 国保誠 6月21日 -
13 悪魔城の秘密 伊上勝 宮崎一哉 木村圭一郎 6月28日 一部を009「地底帝国ヨミ編」より
14 呪われた砂漠 勝間田具治 7月5日 009「中東編」
15 悲劇の獣人 辻真先 芹川有吾 国保誠 7月12日 009「移民編」
16 太平洋の亡霊 勝田稔男 小泉謙三 7月19日 -
17 幽霊同盟 伊上勝 田宮武 窪詔之 7月26日 一部を009「地底帝国ヨミ編」等より
18 わが父は悪魔の使徒 小沢洋 宮崎一哉 村田耕一 8月2日 -
19 恐怖の原潜シースネイク号 芹川有吾 新田義方 木村圭一郎 8月9日 -
20 果てしなき逃亡 小沢洋 勝間田具治 窪詔之 8月16日 -
21 幻の騎馬軍団 高久進 宮崎一哉 8月23日 -
22 復讐鬼 辻真先 永樹凡人 小泉謙三 8月30日 -
23 復讐鬼(後編) 岡崎稔 9月6日 一部を009「暗殺者編」より
24 非情な挑戦者 安藤豊弘 田宮武 高橋信也 9月13日 -
25 よみがえれ!不死鳥(フェニックス) 芹川有吾 高見義雄 窪詔之 9月20日 -
26 平和の戦士は死なず 辻真先 芹川有吾 国保誠 9月27日 一部を009「地底帝国ヨミ編」より

視聴率[]

  • 平均視聴率 17.3%
  • 最高視聴率 20.7%(第3話)[シリーズ最高視聴率]

数字はいずれもビデオリサーチ調べ、関東地区。

外部リンク[]

出典・脚注[]

  1. 『東映アニメーション50年史 1956-2006 ~走りだす夢の先に~』東映アニメーション、2006年、p.34。
  2. 東映長編研究 第14回 白川大作インタビュー(6) 『風のフジ丸』と「東映まんがまつり」の始まり WEBアニメスタイル
  3. 『西遊記』の制作に石ノ森が参加した際に、東映動画入りを希望する石ノ森に対して白川が「将来売れたら作品をアニメ化する」という言葉で漫画家を続行するよう説得した経緯があった(東映長編研究 第10回 白川大作インタビュー (2) 手塚治虫と『西遊記』)、WEBアニメスタイル)。
  4. 辻真先『TVアニメ青春記』実業之日本社)、p.186
  5. 小黒祐一郎「「編集長のコラム」第20回「平和の戦士は死なず」 WEBアニメスタイル。
  6. 五味洋子「アニメーションの思い出がたり その7 夏休みのお楽しみ WEBアニメスタイル 2007年5月11日。
  7. 辻真先『TVアニメ青春記』実業之日本社、p.189
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